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愛人になりました
ノックをして部屋に入ると 大きな窓を背に配置された木製の重厚感のあるデスクで書類を読んでいる男が顔を上げた。
「あっ」
目の前には昨日とは打って変わってスーツをビッシっと着こなした端正な顔立ちのイケメンが微笑みかけていた。
「如月淳一です、橋本くんのデスクはそこです」
視線の先を見ると入り口ちかくに、これも木製のどっしりとしたデスクがおいてあった。
「あ・・・なたは・・・」
「今日から、専務取締役に就任しました。そして橋本君にはわたしの秘書として補佐をしていただきますが、なにぶん、わたしはこの会社に関しては新入社員のようなもの、橋本君は一年半ほど庶務課で他部署について見ていると思うので、サポートをお願いします」
「秘書という仕事はしたことが無いですから、秘書課に在籍しているものから選ばれた方がいいと思いますが?」
「君は、学生時代から社長である父親をサポートしていたでしょう?それで十分のスキルを持っていると思いますが?」
何を言っているんだ?
僕が親父の仕事を手伝っていたことを知っていると言うことなのか?
でも、親父がKISARAGIにたのんでいたのだから、僕の素性などわかっているってことか・・・ そこまで言われてしまうと肯定するしか無い。
「わかりました、精一杯勤めさせていただきます」
愛人契約はどうなっているんだろう? やっぱり、普通にからかわれていただけなのかもしれない。
それならそれで・・・
よかったのかもしれない。
そもそも愛人契約なんて・・
「さて、昨日の話だが」
「?」
「愛人契約」
本気なのか???
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