1203人が本棚に入れています
本棚に追加
煩悩の数・・・ ふと108という数字でそんなことを考えてしまったが、正直“面倒”だ。
目を通した方がいいだろうな・・・最初は朝の続きで
『わたしには、哲が必要だ』
『わかって欲しい、君に捨てられたら私はどこに癒やしを求めればいい』
など、ほぼピロートークのような文言が並んでいる。
その後は、僕が秘書課に異動になったことについてのメッセージがいくつかあったあとは、 たぶん部屋に行ったが留守であることへのメッセージが続いていた。
『なぜ出てこない』 から始まって 『秘書課におまえは男が好きな淫乱だと言ってやる』 とか書いてある。
相手はあんただろう・・・と、思うとうんざりした。
こんな人を好きだったんだ・・・ この人に好かれたくて、痛いのを我慢して気持ちがいい振りまでして・・・
この人は絶対に証拠になるようなものを残さない人だった。だから写真を撮られることもなかったから、それだけは良かったと思う。
「はぁ・・・」 小さくため息をついたと同時に着信を知らせるための振動が起きた。
部長からだ。既読がついたことで直接、電話をしてきたのだろう。
手元でバイブ音が鳴る。
画面をじっと見つめていると
「出ないのですか?かまいませんよ」
最初のコメントを投稿しよう!