らぶらぶでした

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バーベキュー当日 雨なら中止になったのに実によい天気だった。 総務部と営業部は分かれてバスに乗りこみ郊外にあるキャンプ場に向かった。 キャンプ場に備え付けの器具での作業になるので、特に持参する物も無く食べ物だけをクーラーボックスに入れてきた。 大体の下ごしらえは出来ているので網の上にひたすら焼くものをのせていく。 決まりはないが、なんとなく総務部と営業部は自然と部署ごとに纏まっていた。 ふと、営業部を覗き見ると部長の隣には若くてかわいらしい女性が立っている、少し疑問に思い、隣に居た女子に聞いてみた。 「部長の隣にいる子って、営業部の子?」 「え!橋本さん知らないんですか?」 「新入社員?」 「違いますよ、田中部長の奥さんですよ、10歳年下の愛妻です」 えっ?すごく違和感を感じていると 他の女子も 「めちゃ、仲が良くて理想の夫婦なんですよ。」 「そうなんだ・・・あまり聞いたことがないというか・・家庭の匂いがしないというか」 「奥さんが可愛すぎて、ほかの人に見られたくないんですって、だから奥さんのこと知っている人ってすごく少ないと思いますよ」 「でも、2人とも詳しいね」 「まあね、総務ですから!」 「ああ、そうだよね・・・」 「しかも第二子を妊娠中なんですって」 妊娠・・・ どう見たって、あの二人が仲が悪いように見えない。 それに、妊娠しているって・・・ 部長を見つめていると、視線を感じたのか一瞬目が合ったが、すぐに逸らされた。 それどころか、奥さんが焼けた肉を部長の口元にもっていくと、それをぱくりと口に入れている。 仲睦まじいというのは、ああいうのを言うんだよな。 騙されていたことに、今、気づいた。
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