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傷心しました
なにも考えたくなくてひたすら焼いた 肉も、芋も、魚も、海老も トングで何度もひっくり返しながら焼く。
同僚が紙皿を差し出せば、焼けたものから載せていく。
食欲もない、食べたくないし、誰とも話もしたくない もくもくと焼き続けていると哲よりも少し年上に見えて、170cmある哲よりも10cmは背も高いであろう、いわゆる“イケメン”がやってきた。
ほどよく日に焼け、ゆるいウエーブの栗色の髪をかるく流し切れ長の瞳でニッコリと微笑むと、廻りの女子たちは一気にざわつき誰だっけ?見たことあるような無いようなと口々に話し盛り上がっているが、 哲はそんなことよりも、単に自分が奥さんの妊娠中の性処理だけの人間だったという現実に打ちのめされていた。
イケメンが哲の近くに来たので仕方がなく食べ物や飲み物の世話をすると、「気がきくね」と話をかけてきたので、仕方なく二言三言話をしていると、女子が群がってきたのでそっとその場を離れた。
バーベキューをしている場所から少し離れたところにある四阿あずまやで一人座っていると、先ほどのイケメンがやってきた。
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