1203人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪い虫?それなら田中部長の方がよほど悪い虫に思えるけど」
「じゃあ、悪い虫に引っかかって、夫婦仲の良い所を見せつけられている惨めな男の愛人を哀れんでって事ですか」
まさか、と言って、両手を広げて肩をくいっと上げる。
「そんなボランティア精神は無いよ、先ほどから言っているけどわたしは、あなたがいいと言っているんだ。」
愛人になれって言っているんだ どうせこいつにも、奥さんがいて遊びのつもりなんだろう。
さっきも、相手に困らないっていっていたし、僕が部長の愛人をしているから男を試したいとかそう言う事かもしれない。
だったら愛人業も悪くない 部長を忘れるには丁度いい。
でも 「僕がいいって言っているけど、僕の事何も知らないじゃないですか、愛人だからそんなことはどうでもいいってことですか?」
橋本哲 23歳 庶務課 営業部長と不倫中 ざっくりとならこんな感じかな?
もっと細かい話もした方がいい?
とっくに調べてあるってことか 「条件は?」
すこし、呆れ気味にそう言うと、イケメンはニッコリと微笑んで
「生活と身分の保証、ただし、基本はわたしに従ってもらう。」
「愛人ってことは、あっちの相手もするってことですよね」
「そうだな」
「わかりました。」
「じゃ、詳しいことは明日。」と、言った後、思い立ったように
「ところで、哲はわたしに覚えがある?」
「は?まさか、知る訳ないでしょう。しかも、不躾に愛人になれとか言う人間。」
「そう」 一言そういうとイケメンはすこし顔が曇った。
そして、無言で立ち去って行った。
最初のコメントを投稿しよう!