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扉の先、そこにも無数のデーモンが巣くっていた。その中をサイゼルの躰から放たれた光が奔る。と、それに触れたデーモンがぼろくずのように崩れ去る。
「やはり本物でしたか。」
遠く邪神の彫像の横から声がする。
「キュアか。」
その声の主にジューノが問いかける。
「お待ちしておりました、光の子よ。」
それに応えるでもなくその司祭はサイゼルを見、恭しく頭を下げた。
「他の方々には死んでいただきましょう。」
司祭が手を上げると無数のゾンビが生え出るように石畳の床から現れた。
「生ける死人。こいつ等には光は役立ちませんよ。」
司祭がサイゼルに目を遣り、ニヤリと唇を歪める。
「斃しゃあ良いんだろうが。」
ゾンビの群れにドルースの大鎌が飛び数体の頭を吹き飛ばし、ジューノはすかさず天之魔雄神(あまのさくがみ)の呪符を投げた。
数体の烏天狗を従えた天之魔雄神がゾンビを斃していく。
「数には数かい。」
ドルースはスパルトイを呼び出し、ミーアもまた黄泉醜女を呼び出した。
「ミーア、土の壁を立ち上げろ。お前はそこから矢を放て。」
「ですが下は・・・」
「石畳の下は土だ。それを動かせ。」
指示を出すジューノの横でサイゼルが右手を突き出す。
「お前はまだだ。光も使うな。」
ジューノがそれを制する。
「ヒノカグツチはなぜ現れない。」
ドルースが怒鳴る。
「どうやら奴はサイゼルに用があるらしい。サイゼルに危害が及ばなければヒノカグツチは現れない。」
自身も鞭を振るいながらジューノが答える。
ゾンビは倒しても倒しても床から現れ、その上数で現れた召喚魔達はデーモンの餌食になっていく。
「仕方が無いサイゼル以外は総力戦だ。
扉の外のファイアドレイクを呼び戻し、また使えるまで時間を稼げ。」
全ての召喚魔が呼び出される。が酸を吐くだけのイヒカはあっさりとデーモンに倒され黄泉戦もゾンビは倒すもののデーモンには歯がたたない。
こんな時にアレンのネヴァンがいれば・・・ジューノは舌を鳴らした。
そのアレン、行き道は細り天井は低くなりアレンの頭が着こうかという高さになっていた。その上に魔物、頭部と胴体は蜥蜴に似ているが蛇のような尻尾を持ち、鋭い棘を持った六本の昆虫の足で攻撃してくる。
闘おうとする頭上、天井を成す土がゴッゴッと動く。
ひょっとして・・アレンは緑の巨人グリーンマンを呼び出した。
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