15人が本棚に入れています
本棚に追加
終章 アリアスの悲劇
ゴルディオスの元にバルハードも合流していた。
人だけの精鋭隊、亜人の群れ、ザクロスの隊、そしてバルハドスの隊。数は少ないが戦闘力は他国には劣らないまでになっていた。
その戦力でついこの間までプリンツと呼ばれていた国の残党を掃討し、降伏する者を入れた。
それが済むとフランツに攻め入りここでは徹底して敵を殲滅した。
そこを平定するとケムリニュスに使者を送り、その一方でガリヤに攻め入った。
首都の郊外での野戦を制し、一気に首都ヘリンに攻め入ったゴルディオスの足下でグラシアスは命乞いをした。
斬る。と言うゴルディオスを制しキュアはグラシアスをポルペウスへと送った。
その頃にはケムリニュスから挙順を示す書簡も届いた。
ケントスの宮城に着いたゴルディオスとキュアをゾルディエール以下四人の枢機卿が迎えに出た。
「まず、アモール教の教義を捨てる、我等が神ルグゼブに恭順すること。」
「それでは・・・国民が納得いたしません。」
ゴルディオスの言葉にゾルディエールが異を唱えた瞬間、黒鎧の男にカーツの躰が刺し貫かれ、夥(おびただ)しい血がその場に流れた。
「わ、解りました・・私は教義を捨てルグゼブ神に帰依致します。が・・・」
「帰依しない者は全て殺す。」
ゴルディオスがゾルディエールを睨み付ける横で、白銀の鎧を着た若者がゲールを真っ二つに斬り下げた。
「生き残りたいですか。」
震える残りの三人にキュアが声を掛ける。
「スル、エピールオ。あなた方はポルペウスに行きなさい、生き残る為に。
ポルペウスに行きバルハードという者の指示に従いなさい。」
スルとエピールオはガタガタと震えながら部屋を出て行った。
「さて貴方ですが。」
キュアがゾルディエールを向き直る。
「兵を連れ宗旨替えの布告を行いなさい。
それに逆らうものは全て殺す。
お分かりですね。」
それからケムリニュスでの殺戮の日々が始まった。
その後、
「では、行って参ります。」
そう言葉を残してキュアが向かった先はザクセン。そこからロゲニアを回るという。
最初のコメントを投稿しよう!