18人が本棚に入れています
本棚に追加
でもやっぱり、休みの日。
それでも同じ夢を見るもんだから、私は気になって、図書館へ行き夢占いの本を借りに行く事にした。
それ読めば、少しは気持ちが落ち着くんじゃないかな。何かしらのヒントはあるはずだと思う。
いつもならエレベーターを使うのだが、今回は何故か階段を使おうと、プチ努力。
だって入口横の階段をのぼって、すぐ側の右棚だから。
靴紐がほどけていた事に気が付いて、先にそれを結んでからにしようかとしゃがんだ。
階段ってチマチマしてて、足を上げる回数が多いから面倒なんだよね。
一段飛ばしで一気に駆け上がってやろうかしら。
そして頭を上げた瞬間、
「痛っ!!」
黒いサンドバッグのような大きな固まりに、私は思いっきり頭をぶつけた。
あまりの痛さに頭を抱えて、再びしゃがみこんでしまった。
「おぉ〜痛い…くぅ〜…」
しかしながら何の声も掛けてこない。
「ったくもぉ〜…すっごい痛いな〜…」
おいおい、コノヤロー、無視すんな!
私はゆっくりと目線を上に向けると、目が合った瞬間に言われた言葉は、
「ゲゲッ…マジ、やべぇ…」
ゲゲッて何?!
マジってどういう事?!
やべぇって…はぁ?!
「なんなのよぉ〜、もぉ〜」
私は物凄い勢いで立ち上がり、睨みつけた。
なめんなよ〜!!
さすがの私の睨みに、
「ってか、とりま、すぁ〜せん」
っていうか?
とりま?
すぁ〜せん?!
何、それ日本語?!
弱者に対して、年上に対して、女性に対して、言う言葉?!
何コイツ?!
謝罪が全くなってない!!
私は奥歯を強く噛みながら、もう一度しっかりと睨み付けた。
しかし雰囲気を悟れないのか、ポカンとした表情で全身黒ずくめのイマドキの若者は立ち尽くす。
最初のコメントを投稿しよう!