恋と言うのじゃないけれど…

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そいつに会ったのは、クリスマスイヴイヴ~いつものカラオケボックスでいつものメンバーで盛り上がってる時、涼が連れてきた。 「こいつ、俺の幼なじみ、そこで会ってさ、引っ張ってきた」 アイドル顔負けのいい男を連れてきた。 オレはイケメンに目がない。まぁ、それで苦い思いもしたけど… それでもイケメンが大好き…もう仕方ないやん 好きなもんは… オレは早速イケメンの腕を組み、 「あ~ずるーい 由衣」 「早いもの勝ち!」 きゃあきゃあ、秋乃と理子が騒ぎながら反対側の腕を取り合ってる。涼はもう幼なじみをほったらかして尚之と選曲してる。 その横で稔が熱唱してる。 「あんた名前は?」 「萩野航(はぎのわたる)」 「涼と一緒の高校?」 「いや、江陽」 「え~めちゃ頭いいとこだ、何してんの仕事」 「…公務員」 「潰れないとこだ、よかったね」 涼が航に緑茶を持ってきた。 「あら、呑まないの?」 「車なんだ」 「あらまぁ…」 「由衣、次だよ~」 「ほーい」 🎵~ オレの十八番 「天城Оえ」 情緒たっぷりに歌い上げる~ ~~~気持ちえ~~! …誰も聞いとらんが……いや、一人航が!……なんていい奴… …そして航からの万雷の拍手~ ……あぁ、なんていい奴… 航のほっぺたにチュッ 目を見開く航… 「ありがとう」 「歌上手なんだね」 「そこまで上手くないけどね、好きなんだ…こう歌い上げるのが」 「上手かったよ 聞きいったもの」 「ありがとう 航は?なに歌う」 「僕 歌全然ダメで…」 「いいわよ、誰も聞いてないし 思い切り歌うの気持ちいいよ」 「次 エバンゲリОン~誰か歌う~」 「知ってる?」 「歌詞だけは…」 「よし、航いけ~」 🎵~ ん…何コレ…うけ狙い? 1本調子て~大きな声で~何の曲か分からんし… えっ~~アイドル顔負けの面して~ あまりの事にあっけに取られて皆静かに聞いてる 一人吹き出すと皆が腹を抱えて笑い出した~ 最後まで歌うとハァ~と息を吐いて 拍手喝采~ 「だから言ったでしょ。歌ヘタなんです」 「あそこまでいけば、天才じゃないか」 お疲れさまと航に緑茶を渡した。
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