恋と言うのじゃないけれど…

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え~~~ 中に戻り帰り支度をする。航がオレにコートを着せ掛けてくれる。 「悟が捕まった」 「えっ、なにやった?」 「~間違えた…繁華街で補導された。今から引き取りに行かなきゃなんない」 「成人の保護者って奴ね」 「厳重注意で1時間位説教食らうぞ」 「由衣が保護者だって…ウケる~」 「なぁに、由衣んとこ親父さん達いないの?」 「いるよ!でもウチ、固定電話殆ど取らないし…親父が恐いもんで、悟が上手いこと言って、オレに振ったんだ…もう!2、3発殴ってやる」 航がオレの手を取る。 「行こう。送るよ」 小さくなって航の後をついて出る。 「…すみません」 あぁ乗り心地のいい奴だ… 「あの…迷惑掛けついでに、オレの家寄ってもらえる?着替えて行こうかと…」 航がチラとオレを見る。クリスマス用の派手な服とメイク… 「どっち行けばいい?」 家はもう寝静まっていて、真っ暗た。いつものとこから鍵を出して、勝手口から静かに入る。 メイクを落とし、大人しめのメイクに、服も地味な服、髪は後ろで一つに結ぶ。 急いだつもりだけど10分は掛かったかも… 航がオレを見て小さく吹き出した。助手席を開け、運転席座るまでクスクス笑ってる 「…そんな服も持ってんだ」 ……… こいつには世話になるな…オレも世話したけど… 静かに発進する車~ 迷いなく着く車~ため息が出る。今まで警察署なんて行ったこともない……交番だって無いのに…… 「あっ…ありがと、航。助かった!気をつけて帰ってね」 「ついて行こうか」 「ううん、何時なるか分かんないし、弟もいるし、大丈夫……ホントありがとう」 入り口手前で振り返ると まだこっちを見てた。優しい奴だなぁ…手を振ると頷いた。 中に入ると職員の人が声を掛けてくれた。酔っぱらい のダミ声や大きなイビキが聞こえるが全体的に静かだ。 弟の悟が連れてこられる。 未成年が盛り場に行くことの危険性について…オレには1時間もたつように感じたが警察署を出る時に見たら、まだ入って40分くらいのもんだった。 署から出て悟の頭を拳で一発ぶん殴ったら、手がめちゃくちゃ痛くてバッグで一発叩いた時、後ろから声が掛かった。 「由衣…こっち」 「え…」 あの高級車から航が顔を出してすぐ後ろにいた。
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