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なにがどうなってるのか、サッパリわからんが…
……航は好きだけど…
結婚なんて…
それもトーキョ
やだ、やだ、皆と離れて、誰も知らないとこに行くなんて…
秋乃と理子と会えないなんて…
男はアクセサリーだけど、女にとって女友達は必須だよ。
愚痴って、泣いて、相談して、相手してくれるのは女友達たもん
男なんて彼氏でも、まだ言ってる、みたいな目で見るだけで…
オ…わたしの足は帰巣本能がついてるのか、やだ、やだと思ってるのにもう家が目の前じゃん…
「ねーちゃん!」
手を振りながら、悟が出てきた。
小学生か?!
「ねーちゃん、昨日のイケメン来てるよ」
「えっ…今何時?」
「もうすぐ7時…」
……なんで予定通りしない!
「何してんの?中で」
「父さんと話してる」
ヒェ〰️〰️
「由衣、なにしてるんだ、萩野君がお前を待ってる。早く入んなさい」
「……ただいま…」
父さんの機嫌がいい……航、なに話した?
リビングに入ると機嫌のいい母さんが航と話してる。
テーブルには人気の洋菓子が小鉢に盛って…多分航が持ってきたんだろう。紅茶が出ていた。航が振り向いて目が合った。
「お帰り」
「…ただいま」
「由衣ったら、なぁーんにも言わないだもの、こんなイケメンと結婚なんて、お母さんびっくりしちゃったわ」
「父さんもびっくりだよ。それに警察関係なんて又々びっくりで…」
……は…?けいさつ?
悟がテーブルの上の名刺を取る。
「えっ…警視庁?…警部補…萩野航…これってキャリアじゃね」
…キャリア?
「ねーちゃん…やってゆけんの?」
知らねぇよ!
「由衣…会って何日なんて関係ねぇぞ。お互いがその気になってるんなら、なんの問題もない!」
「そうよ、10年付き合ったからって別れる時は別れるんだから」
柔やかに頷いてる航…
えらい気にいられてんな…航
わ…わたしを無視して地球が回ってる気がする…
…………………………
分かってる…分かってる。
愛とか、恋とか分かんないけど、今こいつを手放したら、絶対後悔する…って。
父さん達と話してる航を見る…
…………………………………
飛行機が飛んでった。
「お前仕事よかったのか?」
涼がニヤつきながら言う。
「朝から吐き気がして病院行くって、半休貰った。」
「しかし…3日で結婚…さすが航。もうびっくり通り過ぎて、唖然とした。」
「だよね。わたしだって信じられない」
「ふ~ん、わたし…ね」
顔が赤くなる…
「くっくっくっ……しっかり航に躾られてんな」
「えっ…躾なのか?」
「いいんだよ、それで…知らない人の中に入っていくのに、ある程度普通に振る舞った方が受け入れられやすい」
「最後、航と何話してたの?涼、わたし見て笑ってたでしょ」
「え…」
「なに話してたのよ」
「……」
「なに、そんなに話しにくい事?」
「航がさ…」
「うん」
「航が…由衣が他の男に着いてかないように見張っててくれ…だって」
ぶっ!!
「俺感心したねー会って3日でちゃんと由衣の事わかってるんだ、それでも結婚しようってんだから、そんなに好きなの?て聞いてやった」
………………………
「航、なんて言ったと思う?」
「……なんて?」
「好きも嫌いもない、由衣が僕の首に腕を回した時、…僕に欠けてたピースが見つかった気がした、だと」
……ああ…
「えっ…どうしたんだよ。由衣…俺、何言ったよ?なに、泣いてんだよ」
…………あんた名前は?
……あぁ………
…………あの…名前なんて言うの?
……あああ……………
……………わ…たる……
おわります。
読んで頂いて、ありがとうございます。
noname
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