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深層を抉れ
アラストルは地上に降りた時
何故「歯科医師」という職業を選んだのか
自分は「それ」に対して
逃げることはまず不可能で、
本当ならば
こんなやっかいごとは
真っ先に避ける選択肢を選ぶだろう
「……基本、
神が絶対的、その他は相対的に
物事のルールが決まるから、
アラストルが歯科医師やるつったら
他もそれを中心に自動的に決まる
それに関しては例外は無いから
本来、アラストルが地上に降りなければ
鳥飼の神性特攻も
目覚める予定ではなかった
星に認識されないままで、
兵器に化ける予定などなかったんだよ」
悪魔の答えは
俺に情報を与え
人外相手の戦いに
「怖がるな」と背中を押すためで
俺への愛ではない………
……あれはそうゆう奴で、
わかっているけど……………
「……続けて」
朝支度をしながら
片手間に聞く内容じゃないんだが
「……読心術では読めない深い部分に大抵
1番知られたくないものは隠されている
本人は忘れたいようなもんが大抵そこにある
見たくないからそこにしまう
………それをサルベージするために
口膣から脳神経を狙う………
弱みを知れば、そこから罰がくだる」
「……………クズだな」
「俺もやられたらたまったもんじゃない
でも、お前は読心術止まりで済む
読心術はお前自身の動きから分析するから
星を挟まなくても可能だからだ」
「………意外、お前はそうゆうの
怖いものなしかと思った」
「……………見たいか」
「…………見たい」
洗濯機まわしてる奴がこちらに迫る
「………報酬内容に、それを入れてもいい
俺の記憶など、魔界の管理外だから
………俺の口から読んでみるか?」
「………朝だし」
……朝から軽く唇を許すのも、
効率良く働かせるためなのだろう
報酬も、同居も、擬似家族も、
すべては無力な人間を
化け物相手にけしかけるための………
(……俺には、見せる………………)
………本当に、愛は無いのだろうか
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