私がアイドルであるために

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「絶対、幸せになるんだよ、あずぴょん! 皆ずっと阿須ぴょんの幸せを願ってるんだからね!?」 「うん、ありがとう。太郎、さゆりん、舞ちゃん。皆事はずっと忘れないよ」 「あたしたちだって忘れないんだから、いつかどこかで再会したときに胸を張って笑えるように、人生頑張るんだから……!」 「さゆりん」 「ボクも、家はギスギスしてて逃げてたけど、勇気を出して家族と向き合ってみるよ」 「太郎」 「うちは、もっと、友達作る……!」 「舞ちゃん」  三人で輪になって抱き合った。男も女も関係なく、ただひたすらに愛しかった。  私は一人でアイドルをやっていたわけじゃなくて、皆と一緒にステージに立っていたのだと、そのとき思った。  気がつけば皆涙でぐちゃぐちゃだったけど、とても幸せな終わりだった。 その日の夜は、ひたすらに気分が浮いていて、自分のためにケーキを買った。  自分へのご褒美に買ったケーキは、めちゃくちゃしょっぱかったけど、すごく美味しかった。
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