私がアイドルであるために

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 村に帰りたかった。あの頃の私さえ受け入れたくれた仲間はもうそばに居ない。毎晩枕を濡らす日々が続いた。悲しくて、むなしくて、苦しかった。 「梓ちゃん、デビュー日程が決まったからSNSやってみない?」 「SNSですか、マネージャー」 「うん、まずは売り出さないとね」 「はあ……頑張ります」  正直何を載せていいか全くわからないまま、あたしはSNSにアカウントを作った。  自分のかわいい持ち物に、頑張った自撮り写真。お母さんも理解を示し てくれたから、コーディネート写真も撮るようになった。徐々に徐々にフォロワーも増えていった。そのフォロワーの数が目標人数に達した頃、あたしは地下アイドルとしてデビューすることになった。
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