私がアイドルであるために

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 ほかのアイドルの子は、どんどんファンを増やしていった。メジャーに声がかかる子も居た。私のファンは大して増えることがなかった。それでも。私の心は、満たされていつだってキラキラしていた。もちろん引退していく子も居て。泣きながらやめる子、切れてけんか別れしていく子。いろんな子が居た。  いずれ私も、この仕事を辞めるのだと網と胸が痛んだ。離れたくなかった。だけど、いつかは誰だってこの仕事に区切りをつけていくのだ。どうしたって前に進むには避けられない事だと、いろんなアイドルを見ながら悟った私は、どんどんアイドル活動に熱を燃やしていった。  するとファンは急激に増え始めた。見慣れないファンに応援され、戸惑いながらも私はいつも通りに歌い続けた。楽しかった。幸せだった。今までにないほどやりがいを感じた、もちろん、最初から居る三人も応援してくれた。
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