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込み上げる吐き気を飲み下して、会議を進める。
有能である証明をしなければ彼の傍にはいられない。
さっさと決議をまとめて、会議室を後にする。
不自然にならない速度で自席に戻ると、鬼のようにキーボードを叩く。出来るだけ早く、可能であれば定時に終わらせて病院に行かなければ。もう今の抑制剤が効かなくなってきているのは、さっきの発作的な吐き気で証明されている。
更に強い抑制剤を処方して貰わなければ。
『これ以上服用するのは勧められませんよ』
ギシギシと壊れそうに傾いた椅子を揺らしながら、困り顔のかかりつけ医は先月そう言っていた。副作用が酷くなって、体重が落ち始め、肌もかさついてきた。睡眠障害のせいで、夜も眠れず、そのせいで余計に彼のことばかり考えてしまう。
…日常生活にはもうとっくに、支障をきたしているのに。
『いっそのこと思い切るか、
ーーー最後の手段も考えておいてくださいね』
溜め息をつきながら、出来の悪い生徒に言い聞かせるように医師は言った。それに対する僕の返答は、いつでもNOだ。
告白してフラれて諦めるのが、一般的な対症療法だ。一瞬傷つきはしても、いずれは忘れて薄れていく気持ちと共に、回復していく。大概はそうやって治していくらしい。
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