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言葉が通じない
時代
TVのチャンネル争い
食べ物の取り合い
お姉ちゃんなんだから、
我慢しなさい
お姉ちゃんなんだから、
しっかりしなさい
お姉ちゃんは、良い子ねぇ
子供同士なら負けることはない
そこへ、親が入ると、
全てが有耶無耶にされる
姉妹兄弟も気がつけば、
同じ背丈になってくる
「お姉ちゃん、お風呂に入ったら、ちゃんと減ったお湯は足しといてよ!」
風呂に体力を持っていかれ、動けなくなってる姉に妹は怒った。
「あんた、私にお風呂のお湯は足しとくもんやて言うたやんなぁ?ちゃんと足しといてよ。半分以下やんか」
「私はしんどかったんやから、したかないやろ!」
「お姉ちゃん、ええ加減電話代わって、友達と大切な話があるんや」
話の途中で電話を切らされた。
「あんた何時間電話してるん?ええ加減にしいや、もう3時間は経ってるやないか」
「私は友達と大切な話してんねん!向こうへ行って」
妹は親の反対を押し切って結婚し、
勝手に子供を作って戻ってきた。
「子供ができたら相手が変わると思った」らしい。
姉は妹の離婚前に何度となく夫婦間の話を聞いた。
妹にも問題はあると思いつつも、
慰め、勇気づけ、
金銭的なサポートを僅かだがした。
その姉もその後に嫁ぎ、
夫婦間の問題を抱え、
どこにも話せず、
その妹に悩みを打ち明けた。
「それはお姉ちゃんが選んだ人やな?自分で選んだ道ちゃうん?!文句言わんといて!」
その後、妹はどうやら結婚したい相手がいたらしく、子供を作った。
また、反対された。
「よう考えや、相手の人は強度の弱視で、将来見えんようになる。独身の相手の妹さんもそうらしいやないか。子供が弱視で生まれた場合、あんたは一人で三人を支えられるんか? 養えるんか?」
母はそう言った。
仕事に就いては、1年、2年で、辛い、キツイ人がおって耐えられんと、次々に仕事が変わる。
姉から見れば、仕事や嫌なことから逃げたいために、男を見つけて、結婚したくて子供を作ったようにしかみえなかった。
結局、考えたのだろう。
中絶を選んだ。
落ち込む妹に姉は話した。
「私も二度の流産をして、辛かったわ、あんたの気持ちも分かる……」
「!お姉ちゃんには分かれへん!私は生きてる子をおろしたんや。
お姉ちゃんのは元々生まれてくることの出来なかった子やないか!
私の方が苦しい!」
もうこれ以上無理なのだ。
こういうことなのだ。
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