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いきなり何を言い出すの? 私が月菜さん達の家にお世話になるなんて、そんなのおかしいでしょう。
それなのに匡介さんの言葉に驚いているのは私だけ、月菜さんも柚瑠木さんもそれが当たり前のように話を聞いているの。
つまり、このことは匡介さんや月菜さん達の中では最初から決まっていたってこと? でもどうしてそんな事を私に黙って……
「そんな、私の事で月菜さんや柚瑠木さんに迷惑はかけられません! それも私に聞かないで勝手に決めてしまうなんて……」
「杏凛に聞いても反対しかしない、分かっているからこうして黙って連れてきたんだ。それに月菜さん達なら君をちゃんと支えてくれるはずだから」
確かに先に聞いていれば絶対に反対したに違いない。でもそれは月菜さん達を巻き込むようなことはしたくないし、時間が経てばいつかは治ると思ってた。
でも匡介さんはそうではなかったらしく……
「家にいても俺の傍にいても事件の事ばかり思い出してしまうんだろう? それなら実家や病院より仲の良い月菜さんの傍が良いだろうと考えていた。彼女たちもそれに賛成してくれている」
「杏凛さん、少しの間でもいいのでこの家で私達と過ごしませんか? ここなら香津美さんもよくいらっしゃいますし」
月菜さんが私の事を心配してそう言ってくれているのは分かるの。でも、今さら匡介さんの傍を離れるなんて私に出来る?
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