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132話 よくある 謎
食堂に側仕えたちを集め、まず、剣舞会の話をしてあげる。
最近の騎士は両手剣が主流だということ。その中、双剣のリリーと片手剣の騎士が決勝で戦ったこと。優勝はリリーだということ。
一回戦から順に話してあげた。
「私たちのナイフも両手に……試してみましょうか?」
グレーの髪の側仕えがほかの側仕えたちに促すと、彼女たちが小さく頷く。
「そうですね。ナイフは剣と違って扱いやすいのでいいかもしれませんね」
そう僕も賛同する。片腕にナイフを仕込んでいる彼女たちは別に両手に持たなくても、いざという時、二本あった方が身が守れそうだ。
「ついにリリー姫は青年の部、三連覇ですか。大会で三連覇を成し遂げたのは何年ぶりなのでしょう」
聖女様が感服しながら呟いた。
「それで、そこから一か月、ギルはなにをしていたのですか?」
興味津々に訊ねてくる聖女様に、ウィードルドへ帰省していたことを話す。
村は今、防壁を広げ、村を拡張していること。リリーとエザベルさんがルカと仲良くなったこと、そして、リリーが交際を申し込まれたことなどを話した。すると、側仕えたちが驚く顔を見せた。
「リリー姫様は、ルカ様の白眼を忌み嫌わなかったのですか?」
「ええ。リリーは人の噂より、自分で確かめ、肌で感じたことを信じる人柄なので。むしろ、気遣いが出来るルカのことを称賛していましたよ」
そう話すと、彼女たちがざわつく。領地では白眼は想像以上に印象が悪いようだ。
「領地位二位の姫様が白眼を持つ者たちを、人だと領地で広めてくださったら」
そう側仕えたちが呟く。
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