願いの代償

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 三年に進級してすぐ、Fという女子のボス的存在が中心になって、Aを無視するようになった。成績が良いことへのやっかみもあったのだろうけど、やっぱり、怖かったのだろうと思う。  いじめは日を追うごとにエスカレートしていき、Aの持ち物がなくなったり、髪に液体のりをかけられたりするようになった。  やばいな、とも思っていたけど、巻き込まれたくなかった俺は、ただ傍観するだけだった。批判されても仕方ないことだけど、Fに敵として認識されるのは嫌だった。  Aはいじめにも負けず、県内有数の進学校に推薦合格した。  先生たちと一緒に喜ぶAを見て、Fが面白くなさそうな顔をしていたのを覚えている。
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