第1章 アオハル

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 しかし、翌日からのここの学校生活は目まぐるしい速さだった。翌日はホームルームでの自己紹介と学校生活に関するガイダンスが行われたが、それが終わればみんな家路に急ぐ。翌日に行われる伝統の入学直後歓迎テストのためだ。  そして落ち込む余裕もくれない日々のプレストな授業が始まり、合宿、テスト、球技大会、テスト・・・と、常に進学校らしくテストの嵐に身体も心も日々疲弊していく。この高校には女子がとても少ないから合宿を機にすぐに仲良くなったけれど、みんな学校と塾の往復だ。どうやら高校生活を満喫しようなどと考え、フワフワした気持ちで入学をした者は誰もいないらしい。そして私は今まで通り高校でも塾には行かないということを当たり前のように選択したが、どうやらこれも型破りらしい。この学校にはついていけないものを拾い上げてくれるシステムがないので、皆とにかく必死で、塾で補い拾い上げてもらっている状況だ。それでも毎年数人は進級できずにここから消えていくことも有名な話だ。文武両道を掲げ部活動も盛んなので私ももちろん入ったけれども、自転車で帰宅途中に見知らぬ男に追いかけられて呆気なくリタイヤした。
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