神様、お願い

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吐か・・ない。 吐きます。 吐くとき。 吐けば。 吐こう。 ・・・アホか。 いや、こんな冗談を考えいてる間は大丈夫です。 扉を開けて腰を下ろす。 ・・・あかん。またか・・・。 はあっ。はあっ。 脂汗が止まらない。 立ち上がる。 抱え込む。 口の中に指を突っ込む。 大きく嘔吐く。 スマホを見ると、時間は21時5分。 そのまま倒れこむ。 少し楽になった、腕を伸ばしスマホを確かめる。 時間は21時7分。 2分だけ意識を失っていたのか。 もう一度腰を下ろす。 ああ・・神様・・・お願い・・・助けて・・・ はあっ。はあっ。 まだまだ時間がかかりそうだ。 スマホのニュースを開いてみる。 くるくると目の奥で閃光がほとばしる。 だめだ。無理だ。 ぐうっとお腹をくの字に曲げてみる。 はあっ。はあっ。 しばらくうなだれていたようだ。 もう一度倒れこもうか。 無理。 よろよろと立ち上がり再度抱え込んでみた。 あ・・・少し楽かも・・・ しばらく便器を抱きかかえながら頭を蓋の上に乗せる。 はぁ・・はぁ・・は ・・・来る!!!! 私は慌てて便器に腰を下ろした。 キター!!! トイレのドアが鳴る。 「おーい、大丈夫~?」 「・・・ダイジョウブ・・・イツモノ・・」 「あ~・・・半期に一度のあれね。」 そう。私は半期に一度神頼みをする。 神様、お願い、助けてください。 そして助けてもらうたびに、これからは毎日出そうと決意するものの、出ない。 人生何度目の神頼みだろうか。 「便秘でお亡くなりになった方もいらっしゃるようだよ。 もういい加減さ~、改善したら?」 「そうだよね。」 「30分も籠っていたら、そのうち痔になるんじゃない? 治療も大変みたいだよ。」 「ホントそうだわ。」 「あのさ・・・あまり言いたくないけど、その肌荒れも便秘だと思うよ・・。」 「・・・分かってる・・・。」 本当にもう嫌だ。 いつも嫌だと思うだけで、行動しない自分も嫌だ。 しかもこんなことで何度も神頼みしていたら、いざというとき使えないよね。 メモに書く。 ~買い物リスト~ ヨーグルト はちみつ トレーニングウェア スニーカー もう神様に頼まなくても済むように。
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