Fünf:Neue Bühne

2/11
前へ
/158ページ
次へ
「貴女はずっと、私のことはあくまでという、遠い立場の人として接してきたでしょう? 自覚があったかはわからないけれど、私をそんな存在としていたことは、今までの態度で分かった。けれど、今は、対等な友達という立場。そう、ハッキリと言ってくれた。それが私には嬉しいことなの。そして、きっと、ストラスにとっても、嬉しいことなんだと思う」  エンゼルがちゃんと言ってくれたからこそ、ストラスは、言えることがある。 「お嬢にとって、親友は誰なんですか?」 「何? いきなりそんなこと聞いて」  答えに詰まってしまうストラス。しかし、これがエンゼルのためになるのだと、意を決して主張する。 「私は、アイリアさんしか、その役目は似合わないと思うんです。より対等で、より歩調が合って、より結びつきが強いアイリアさんが、親友を名乗るに相応しいんです。アイリアさんは、私をお嬢の親友と認めましたが、私よりもずっと、アイリアさんの方がいいんです」  エンゼルは、アイリアの方を見る。顔色は悪いが、とても優しい表情だ。口元の筋肉、その全てに緊張がないようにすら見える。もしかしたら、気分はそれほど悪くないのかもしれない。ため息をつき、何でもないように言ってみせる。 「親友は一人じゃ、私には足りないかな。アイリアも、ストラスも、そうであってほしい。大切な人はたくさんいていい。重いかもしれないけど、苦しくはないから」
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加