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「貴女はずっと、私のことはあくまでお嬢という、遠い立場の人として接してきたでしょう? 自覚があったかはわからないけれど、私をそんな存在としていたことは、今までの態度で分かった。けれど、今は、対等な友達という立場。そう、ハッキリと言ってくれた。それが私には嬉しいことなの。そして、きっと、ストラスにとっても、嬉しいことなんだと思う」
エンゼルがちゃんと言ってくれたからこそ、ストラスは、言えることがある。
「お嬢にとって、親友は誰なんですか?」
「何? いきなりそんなこと聞いて」
答えに詰まってしまうストラス。しかし、これがエンゼルのためになるのだと、意を決して主張する。
「私は、アイリアさんしか、その役目は似合わないと思うんです。より対等で、より歩調が合って、より結びつきが強いアイリアさんが、親友を名乗るに相応しいんです。アイリアさんは、私をお嬢の親友と認めましたが、私よりもずっと、アイリアさんの方がいいんです」
エンゼルは、アイリアの方を見る。顔色は悪いが、とても優しい表情だ。口元の筋肉、その全てに緊張がないようにすら見える。もしかしたら、気分はそれほど悪くないのかもしれない。ため息をつき、何でもないように言ってみせる。
「親友は一人じゃ、私には足りないかな。アイリアも、ストラスも、そうであってほしい。大切な人はたくさんいていい。重いかもしれないけど、苦しくはないから」
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