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「そんな……! いいんですか?」
「いいのいいの。そんな言い方されると本当はなんか親友じゃない方がいいみたいな、そんな言い方じゃない。なれるものはなっときましょ。ほらほら。楽しいから……あれ? 何? なんか目から出てるわよ?」
エンゼルはこのような言い方をしているが、それどころではない。ストラスの顔はぐちゃぐちゃだ。締めるものが一切無くなったかのようだ。
「私はっ……お嬢のような人に会えて、本当に……本当に良かったですっ……! 幸せ者ですっ!」
「また大袈裟な。何よ、私って神とかそういったものなの?」
ストラスがエンゼルの胸に飛び込んでくるのを、優しく受け止める。大事な服がずぶ濡れになりそうだが、エンゼルはそんなことは気にしない。
絆を確かめられることが、何よりも喜ぶべきことなのだから。
だんだんストラスも落ち着いてきたところで、ゆっくりとまた話し始める。
「私達は、親友。大事な人。それでも、いや、それだからなのかもしれないけど……私は、早いうちにここを出ないといけない」
「ええ。きっと、あっちの方が楽しいですよ。あっちにはたくさんの、気を遣う必要もない人がたくさん居ますから。私達、一応上下関係あるから、気を遣わないといけないし……えへへ……」
「なんか、こう……自分を下げ過ぎるのも良くない、って言うべきかしら? なんかその辺り、どう?」
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