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「あれ? そうですか? 私自虐的ですか?」
「いや、あの、悪い風に拡大解釈しがち? 今もそうでしょ」
思わずストラスは口を押さえる。よく考えてみたら、自虐的と言われた覚えはない。自分の性格まで踏み込んだ話は──暗にはされていたかもしれないが──されていない。
「あ、自覚なかった? ちょっとでもそれを意識すると、自分にだいぶ自信が持てるはずよ。それがきっと、私がここから離れても、ずっと近くにいても、大事だから」
「はい!」
それから、二人はずっと盛り上がっていた。あまりに盛り上がりすぎて、気まずくて相部屋の3人が入れず、やむなく他の部屋で寝ることになったほどだ。ただ、ニルヴだけは様子が気になり、ずっと部屋の前で見ていた。廊下の真ん中で倒れていたことで翌朝ちょっとした騒ぎになっていたのは別の話である。
そんな二人もいつの間にか寝てしまい、椅子の上で寄り添うようにぐったりしている。どうやら同時に寝落ちしてしまったようだ。先述のちょっとした騒ぎの時にも起きずにずっと寝ており、どうやら話しすぎて疲れたとみられる。
そして、年が明けた、最初の朝を迎える。パーティの参加者のほとんどはこの朝には帰ってしまう。混むのでこの時間帯は避け、国立魔法高校関係者一堂は少し遅れたタイミングまで迎えを待つことになっていた。
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