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「へ……? あたしが……? はうわああああああ!!」
パニックに陥ったアイリアは、突然全身の状態を確認しだす。とにかく全身の表面的状態を、服の内側まで徹底して見る。
当然、なんの変哲もない。人間の肌が見える。
「魔女を何かちょっと勘違いしてませんか? 魔力が強いのと、闇の力が使えること、それ以外は基本的には普通の人間とそこまで変わらないものですよ? それと、寿命がやたらと長いことですね。現在の暦の年号、あれ私の年齢なんですよ」
「え? ということは……2017……さい?」
「はい」
またアイリアが絶叫してのたうち回る。この2000年で魔女観というのも変わったから仕方のないことと、校長が割り切れているのが救いか。
「ちなみに成長や老化といった変化は、魔女は17歳になると止まりますから、私の肉体年齢は17歳なんですよね。20代かな? とかはよく言われますけど、実はもっと若いわけで……あれ?」
アイリアの方を見てみれば、露骨に嫌そうな表情をしている。というより、妬ましそうだ。
「17歳……で、あたしよりも背が高くて? 体のラインも素晴らしくて? もう羨ましい要素バリッバリですね先生。かーっ! あたしも背が伸びるんだったら他のところも育ってほしかったなー!」
結果的には、ビビりまくりのアイリアを正気に戻す、いいきっかけになっただろうか。
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