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「そう思える辺りから考えると、心の余裕はまだあるみたいですね。よろしい。それでは、今後について話しましょうかね」
指摘されてようやく、自分が落ち着いてきていることに気付いたアイリア。校長と、魔女マルギテスと向き合い、自分の存在と向き合う。
「今後……当然、魔女であるからには、何か特殊なことをしなければならないんですか?」
「ですね。今まで、私は一方的に教えていました。勝手に教えたり、質問に答えてあげたり。しかしこれからは、私の研究にも付き合ってもらいます。いや、正確には、これから始まります」
というと、今までは研究していなかったということか。しかし、それなら、彼女の研究成果は一体どこから来ていたのだろうか。
「始まって、なかったのですか?」
「はい。魔女として、ほとんど全てを既に知っている。それを、うまい具合のペースで、世に明かしているに過ぎないのです。第7の魔女が現れるまで、やることはほとんどありませんでした。私のやるべきこと、それがあなた自身。これから、よろしくお願いします」
「あ、はい。よろしく……お願いします」
いつものように、アイリアは言われるがままに相手の言葉を受け入れる。
そこから、どれだけ運命が動くのかも知らず。
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