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Eins:Einladung
【母、襲来】
ピンポーン。呼び鈴の音。
この寮は生活スペースがオートロックになっている。入居生徒の学生証か、この呼び鈴を鳴らすインターフォンを通じて生徒の許可を得ることで入れるようになっている。もっとも、この学校の校長はそんなものをあっさりと無視するのだが。
そして応対のためのモニターで、相手の顔を見ながら会話をすることになるのだが……これを見てエンゼルは転びそうになった。
「はーい……って、ハァ!? 母さん!? ちょっとなんで!?」
『なんでじゃないでしょぉ。それはいいとして、渡したいものあるから、入れてくれる?』
アリエル・トイフェル。エンゼルの母。教師。ただし彼女の授業は3年生のみである。なので会う機会がほとんどない。そんな彼女がいきなりやって来たとあらば、腰を抜かしそうにもなるというもの。
そしてそれが「スイッチ」となるのも、彼女のことなので割と当然である。
「入れるかバカぁ! そういう心の準備してないの! 後でそれ、1Aの教室にでも来て渡しに来て!」
『無理無理。今じゃなきゃやなのー。それと親に向かってバカはないでしょぉ。せっかく美人に生まれたのに台無しじゃないの』
エンゼルは苛立ちを通り越して呆れてきた。親が子の神経を逆撫でしていいものか。
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