※ 王子の『おあいて』

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※ 王子の『おあいて』

「い、痛いよう…!!」 「この感じ…処女か…?『相手』が出来るのでは無かったのか?」  娘の奥に指を進めていた彼の動きが止まった。 「はあっ、はあっ……お、お話のっ…おあいては、できます〜…でもっ…これはっ…初めてで……」  初めての感覚に抗いながらの娘のその言葉を聞き、彼は冷たく笑った。 「くくっ……!馬鹿だとは思っていたが…知らずに処女を捧げるとはな…!!愚かな…!」  彼はかまわず、さらに娘の奥に指を出し入れた。 「な、何か変、だようっ…!!あぁぁっ!!」  娘は初めての感覚と衝撃に、赤子のように泣いた。 「あぁぁん!!ふあああ…!!」  彼は入れていた指をすぐに抜き取り、怪訝な顔でその指を払う。  そして無表情のまま寝床に娘を強く押し付け、娘の奥深くに自らの熱を押し入れた。 「痛ぁぁぁ…!!い、痛いですっ…王子様ぁ〜…!」 「小角族は体力があるのだったな…面白い…!!」 「はあっ、はあっ、あぁぁぁ!!」  彼は構わず、小角族にとって命ともいえる娘の両角を強く掴みあげたまま、娘と更に深く繋がった。 「くっ…るし……おう…じ…さ……」 「…こんな娘など、魔力で苦しめてやるほどの事もない…非力な低魔族め…!」  彼の気分は高揚し、夢中になっていた。  しかし、 「死ぬ…の……?あた…し……」 「……。」  彼は動きを止めた。  涙目の娘が、自分の下で力無くうめく。 「っ……せっかく…王子様に会えたのに……お話…いっぱい……」 「っ、何が話だ…!!お前も私に取り入るためだろう!誰がお前などに情けをくれてやるものか!!」  正直、心にモヤついたものは取れず、苛つきも増していた。  しかしこんな事をした理由が自分のわがままで、子供じみていたのも分かっていた。  泣き続ける娘を見ていると、胸の辺りが何故か痛んだ。 「……。」  不器用なくせに、常に何でも前向きだった弟をまた思い出す。  そして自身もまた、自分の感情に関しては不器用だったことを思い知った。 「もう良い……出て行け!!」 「王子様ぁ…!」  泣きじゃくる娘を見えない壁を張って追い出し、兵士達に城の外へ出すよう命じた。  彼は自室へと戻り、先程のことを考える暇もないほど要務に時を費やした。
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