第1章

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 何とか美穂さんをなだめ、祭りを楽しんだ。  美穂さんは金魚すくいに目を輝かせていた。  何度すくい上げても紙が破け……。  それを見兼ねた私は。 「取ってあげようか?」 「できますの!?」  美穂さんは驚いていたけど、小さな頃、お父様に教わった金魚すくいの極意! 「とぅありゃぁぁあ」  大満足の美穂さん。たった1匹で。  その時気配に気づいた。  鬼が近くにせまっている。  美穂さん達にお腹が痛いから帰ると言ってーー不安の声をかけられたけどーー遠くへ走った。  だいぶ奥まで来てしまった祭り。奧では鬼の姿を見たたくさんの人を大混乱に陥らせてしまう。  私は走った。屋台の終わる最後尾まで。
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