第1章

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 そして、お寺があったかと思えば何かにつまずいて、真っ暗な穴の中に落ちて……。  夜だったはずの風景と違った世界。  何がなんだかわからないまま、気づけば鬼にお姫様だっこされて……。  パチと目が合う。  私は飛び上がる勢いで鬼から離れ、地面に尻もちついてそのまま後ずさった。 「刀! 刀! ……あれ?」  無い。刀が。うそ。どこかに落とした?  じりじりと迫ってくる鬼。  そう、2つ目の秘密。鬼に命を狙われ逃げ続けている事。 「あ……」  木の枝を見つけた。タクトくらいの大きさだけど、無いよりはマシだ。
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