第1章

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 鬼は左右を見渡し、空を見上げて呟いた。 「イセカイか」  イセカイ? 「ここはお前の住む世界と異なった世界。異世界だ」  あ、ああ。異世界か……。えぇ!? 「俺はよく知らないが、聞いた事はある。いくつもの世界が存在すると」  ん? 何を言ってるのかさっぱり。でも、聞かなくちゃ。私の生死に関わる大問題! 「あ、あの……」  鬼がこちらを見る。 「私を……殺すのが目的じゃ……?」  鬼はじーと見た後、私の方へせまり、谷間の無い私の心臓付近を触った。 「なっ」  あまりの突然の行動に、両手で鬼の腕をつかんだ。すごい硬い……。 「やはりダメだな。鬼の姿じゃないとオニダマが抜けない」 「オニ……ダマ……?」  私が不満の顔をしていたため、鬼は説明をし始めた。
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