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「待って! 私達あなた達に危害を加えようとしてるんじゃ……!」
聴く耳もたず、というか言葉が通じないので宣戦布告と取られてしまったようだ。
住人の1人が刀を両手に掲げ、迫ってきた。
鬼が刀を抜く。
闘うつもりなんてない。
ただ情報が欲しいだけ。
だけどーー言葉が通じない。
「お前、名前は?」
鬼が尋ねてきた。
「え? 春香……」
こんな状況で自己紹介って。
「そうか、ハルカ。俺はタイガ」
鬼が住人の刃を受け、こちらを見た。
「お前は俺が守る」
トクン、と心音が。
ち、違う。この鬼は私の中にあるオニダマが欲しいから守るなんて言った。きっとそうだ、そうに違いない。
何焦ってるんだろ……私……。
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