第2章

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 鬼は次々に迫る刀を受け止めては流していた。  殺すつもりはないらしい。  だけど、このままだと鬼と攻防を続ける羽目になる。  私達は情報が知りたいだけ。  何かいい方法は……。  思考を巡らせ、ある事に思い至った私は両手を空高く上げた。  これしかない。これしか、言葉が伝わらない相手には、これしか。  驚いているのか住人の攻撃が止まった。 「鬼! さん……。刀を閉まって! 両手を上げて!」 「……タイガでいい。なぜ両手を上げなければいけない?」 「降伏のしるしよ! 負けを認めるの!」  鬼は刀を閉まって私と同じようなポーズを取った。  村人の士気が下がった。
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