第2章

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 村人達は地面に膝をついた。力が抜けたように息を吐く。  しばらく様子を窺っていると、1人の男が立ち上がって歩きだし、こちらへ来るよう手招きした。  村の道から外れたところに川があった。川は水が氾濫しないように川の中を覗ける程度の防壁が出来ていた。  でも、川の水が干上がっている。  そういえば村の人達はどこかしら潤いがなかった。あと少しで干からびてしまいそうだった。この川と同じように。  助けてあげたい。  村人は森の奥深くを指差した。  そこに行けば何か分かるのだろうか。  私はうん、と頷く。  ここまで連れてきた村人に深くお辞儀をした。  そして、ありがとうと。  言葉は通じないけど、村人はにこやかに笑った。それから同じように深くお辞儀をした。  お願いします、という意味かな。
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