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森の中を歩いていると、どこからともなくフィオが現れた。
「えへへー! 人間に見つかるとやっかいだから」
という理由でずっと隠れていたらしい。
パタパタと鬼の方へ飛んでいく。
「フィオはフィオって言うんだよ! あなたは?」
「……タイガ」
ぶっきらぼうにタイガが答える。
妖精嫌い?
気にした様子も見せないフィオは今度は私の方へ飛んでくる。
「タイガはねー、タイガって言うの。あなたは?」
「春香だよ。さっき自己紹介した」
闘ってる最中だけど。
とか思ってると、フィオが両手で頬をはさみ、ムンクの叫びのような表情をする。
「フィオ……役立たず……」
「あ、あ! この先に何かあるのかなー? フィオなら知ってそうだなー?」
パァとフィオの顔が明るくなった。
「この先にはあのお方がいるの! ついて来て!」
あのお方って誰だろ?
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