第2章

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 樹齢何年だろう。  これはしめ縄の代わりかな?  ぐるりと1周、綺麗な葉っぱに囲まれ、その堂々とした大樹を前に、私は思わず息を漏らした。  軽く深呼吸してフィオのいる方を見る。  フィオは大樹に何度か呼び掛けていた。 「タイジュ様ぁ。タイジュ様ぁ! フィオが来ました! タイジュ様~」  すると大樹が金色に光った。  大樹の中から人が。  人間……じゃないよね。  その人は深緑色の長い髪をした中性的な顔立ちの大人だった。
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