第2章

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 美形だな。喋りさえしなければ女子にキャーキャー言われるのに。  鬼の力を借りずに自力で大樹から出てくるのは凄いと思った。 「ありがとう。助かったわ。お水を頂いておいて申し訳ないんだけど、ちょっと助けて欲しいの」 「はい、何でしょう?」 「川の様子はご覧になったかしら」  干上がった川か。私は、はいと答えた。 「そう。ちょっと前まで普通に流れていたのよ。それが突然流れなくなって。魔女の仕業じゃないかって思うの」 「魔女?」 「ここを抜けて通り道に出たら、ちょっと上り坂になってるけど、魔女のいる小屋までたどり着くわ」  魔女の仕業かどうかはわからないけどもしそうなら川の水を流すように説得して欲しいとオカマの大樹に頼まれた。
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