序章

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 人と異なった姿。変身した私は背中に手を回し、細い刀を鞘から引き抜いた。  相手の振り下ろしてくる刀を受け止める。  力は私よりも強い。  どうにか刀を払い、身をひるがえしてまた走り出す。  相手が諦めるまで走り抜く。  けど、相手を倒さない限り、この闘いは半永久的に繰り返される。  それを思うと絶望した。  私には相手を倒すだけの度胸がない。  そう。ずっと続くんだ。  相手の鬼が諦めるまで。
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