序章

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 辺りを青い光が包み込む。  電撃を受けたように身体がしびれ、受け身もとれないままその場に倒れ込む。  だけど、衝撃は無かった。  落ちている。  どこまでも、どこまでも。  とてつもない勢いと、後からくる衝撃がどれだけのものか。想像すると身が縮んだ。  どうしたら……。  その考えが頭を覆い、穴を抜けた瞬間、青い空が見えた。  え……。今って夜じゃ……?  トンと何かに身体が包まれる。思っていたより少ない衝撃だった。  何が起きたのかと思う前に私の顔をのぞき込んでいるモノがあった。  青みがかった黒髪に人を思わせない瞳。 「大丈夫か?」  私は――。  鬼にお姫様抱っこされていた。 .
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