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鬼もなぜか昼間は現れない。夜行性なのか知らないけど、それはそれで結構だ。
だから、日が暮れるまでにやれる事はやっておく。
今朝もいつも通り、白と紺の夏の制服を着て、焦げ茶色の靴をはいて部屋を出た。
私は今、某県の実家を離れ、少し寂れた町で1人暮らしをしている。
家族に迷惑はかけたくないし、1人の方が気楽でいいからだ。
マンションを出て、少し歩いたところで黒塗りの乗用車が現れた。
窓が開き、見慣みなれた顔が微笑んでこちらを見ていた。
「おはようございます。春香さん」
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