プロローグ

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プロローグ

午後の穏やかな日差しがリビングに差している。 部屋のソファに子供と一緒に座って報道が流れるテレビを眺めていた。 隣に座っている彼女の右手はクマのぬいぐるみを、左手は私の手を握っている。 「…映画でも見るか?」 『ううん、これがいい。』 無表情のままテレビから目を離さず見ている。 [地下鉄で起こった凄惨な事件はー] 今報道されてるものは、先月起こった多くの人々が亡くなった地下鉄殺人事件の内容だった。 大勢の犠牲者の中には最愛の妻ヨツも含まれていた。 [犯人は郊外の森に遺体で発見されー] そして、その犯人が死んだこともー。
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