歯ヲ齧ルの2

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「お風呂入る前に笑ってたのはなんだったの?」 「うん? ……? ?? ……あれ、え、まじで?」 「?」 「うぁまじか、うう、ちょっとまって、混乱」 なんか顔が真っ赤になってあわあわ焦っている。初めて見た。 よくわからないけどとりあえず歯を舐めよう。ふふ、幸せ。 焦点をソウタさんに合わせると、少し困った目をしていた。近すぎて目と髪の毛の鼻くらいしか見えないけど、この範囲なら慣れたのか女顔で男っぽさがないせいなのか、見てても嫌な感じじゃないや。髪の毛も柔らかそう。 腕をソウタさんの頭の下に差し入れて頭を抱きしめて、奥歯の方に舌を伸ばすと恐る恐るソウタさんの舌が入ってきて上口蓋を撫でた。俺の頭も手繰り寄せられる。んん、舌が歯で挟まれて幸せ。ふぁ、この歯堪らない。 ふいに俺の頭を抱きしめるソウタさんの両腕の1つが背中に伸びて腰を引き寄せられて胸と腹が密着する。 ……やっぱ平たい……それにめっちゃ勃ってるじゃん。賢者って言ってたのに。それが俺のに当たってる。足を絡められてより密着して、少し擦れ合う。んっ。 「何もしないよね?」 「したい」 「や、それはちょっと」 急いで離れようとしたらソウタさんのほうから絡まる足を解いて離れていき、再び頭を両腕で包み込まれて歯を齧られた。 「したいけど今はしない」 「……うん」 そんならいい。だいぶんどきどきした。 前歯を舌先でちろちろ舐める。このくらいなら話すのに支障がないことを学んだ。 「どうしよう? ヒロにしたいってせがまれたい」 「えっと、いまのとこその予定はないかな」 「だよね。でもさっきはせがまれたと思ってすごい嬉しかった」 んん? なんでそうなる。 「男同士でセックスする時はさ、入れたりすることもあるけど抱き合ってチン○どうしを擦り合わせて一緒にイくのも多いから、そういう関係をねだってくれたんだと勘違いした」 「うぇっ?」 「でもそういうのは知らないもんね。全然予想してなかったから超舞い上がってた、恥ずかしい」 ソウタさんの目元がちょっと赤くなって目が逸らされる。こういう表情は初めてみたかも。 それにしても抱きしめるが1番穏当じゃなかったとは……。難易度高い。額がコツンと当てられる。 「でもそういう関係になりたい」 「そういうのはちょっと」 「わかってる、キストモキストモ。でももう大事にするって決めたし俺のこと好きにさせてみせる、でも今日は寝よ? 安静にしたほうがいい」 ……結局キストモってなんなんだ? そう思いつつ、お互いの歯を齧りながら眠りについた。
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