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いつもの日常が終わる。シナリオのような毎日が終わろうとしている。
そんなことを思いながら、赤く染まる空をぼうっと眺めていた。
「雪那ーーーーっ!!!」(ドカッ!!!!)
別世界にトリップしていた僕を現実に戻したのは、背中に突っ込んできた少年だ。
(いや、同じ歳なのに少年もおかしいか・・・。)
「霧夜・・・何回言ったらお前は僕の背中に突っ込んでこなくなるんだ?」
「車と同じで、人も急には止まれないんだよ〜。」
“あはは”と笑いながら、霧夜は僕の横に並び歩き出す。
「ゆっくり歩いてくれば、そんな事にならないだろうが・・・。」
「だってー・・・あっ!!!雪那!!飛行機雲!」
霧夜は人の注意を気にもとめずに、描かれた線を見て”綺麗だねぇ”なんて言いながら空を見ている。
「・・・・・はぁ。」
今の霧夜に何を言っても無駄だと思った僕は、霧夜をおいて歩き出した。
「お?雪那??待ってよ〜〜!」
小さい頃からずっとこんな平凡な毎日を送ってきたけれど、最近何かが崩れてきている気がする。
僕達の知らない所で・・・少しずつ。
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