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平凡な毎日は続き、朝起きて、制服に着替え、学校へ行く。
そんないつも通りの生活を過ごしていた。
しかし、いつからか見るようになった悪夢のせいで、僕の心は昏くなる一方だった。
悪夢から目覚め、お世辞にも気持ちの良い目覚めを感じれないまま、朝を迎える。
今日も、至って普通の1日が始まると思っていたが、それを1本の電話が変えた。
その電話は、霧夜の母親からのものだった。
電話の内容は、霧夜が家に帰ってきていないというものだった。
霧夜は見た目や行動とは違い、無断外泊などしない奴だ。
外泊するとしても、必ず連絡は入れている。
僕はその瞬間、ここ最近続いている悪夢を思い出した。
背中に”ぞくり”としたものが走る。
とりあえず、霧夜の母親には「心当たりを探してみる」と言い、電話を切った。
心当たりなんて言っても、僕が思いつく場所は1つしかない。
・・・そう、あの悪夢に出てきた場所だ。
あの場所は、霧夜と小さい頃に秘密基地と称して遊んでいた場所。
通っていた小学校の近くの廃墟だが、人があまり立ち寄るようなところではないため、
おもちゃを持ち込んでは、一日中遊んでいた。
成長するにつれて遊ぶ場所が変わり、行く機会が少なくなっていき、最近まで忘れていた。
夢を見るまでは・・・。
僕は家を飛び出して、廃墟へ向かう。
全速力で自転車を漕いだ。
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