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「お前の魔力を調べる、これを飲め。」
そう言って鏡の前に立つ僕に近づいたユンファ様は僕の鼻をつまんで上を向かせると口に流しこんだものはバリュウムなみにドロッとして飲みにくい液体で
うっつつうう゛…酷い……
飲み下すタイミングがあわなくてゲホゲホと咽て涙がボロボロでてもユンファ様は全て飲みこむまで鼻から手をはなしてはくれなかった
味はよく分からなかったけど美味しくはない
ユンファ様の右手が僕の左手をにぎり両手を繋いでると手からジワジワと熱が体に回っていく
「ほぉう…魔力がなくて魔法が使えぬわけではないようだな、封じられてもないし竜体になれば卵は産めるというわけか。」
ユンファ様の口は動いてないのに声がきこえたきがして
「竜体? タマゴ…?」
と僕が聞きとれた単語を小さな声で口にするとユンファ様が
「あぁ、竜は子供ができにくいし婚約の段階で体の準備をはじめる。交尾は人型でも竜体でもできるが産むのは竜体だ。強い個体を残すため優れてるほうが雄の役割をはたすから…お前が俺の卵を身ごもることになる」
最後の部分を耳元で低くささやきながら握りあっていた右手を放すと今度は僕の腹を撫でるように指が動いてゾクリと体が震えたのは今後のことを想像してしまったからか―…
え゛、、ちょ、ちょっと、まって
子供じゃなくて、た、卵ぉおおおおおお!?
……死後の世界ってスゴいデスねぇ―
僕でもタマゴが産めるだなんてそんなオプションいらないよね?
ユンファ様はヨンファの同族でつまり人ではない相手と子作りならぬ卵づくりなわけで・・・って、何そのプレイ?!
コインで婚約者が勝手に決められて水風呂の洗礼を受けて死んでからeggを産めとモラルハラスメントを受けてる僕はどこへ訴えたらいいんですか?
死後婚礼のハードルが高すぎるよ!!
混乱と現実逃避している僕を無視してユンファ様は僕の腹を優しく撫で続けながら
「安心しろ。俺の婚約者として恥ずかしくないように立派な卵が産める竜体となるよう俺がみっちりと手ほどきしてやる。」
って言われたけど、どこに安心する要素が!?
不安しかないよッ!
優しい手つきなんだけど『絶対に孕ませる』って声なきユンファ様の声がして目の前では逃がさないとばかりに肉食獣が蠱惑的な笑みを浮かべていた。
了
※スター応援ありがとうございます!おかげで婚約者編を終了することができました。本当はもっと短編予定だったのに書いてたら終わりを見失いました
タマゴ編を(書くとしてもしばらく先になると思いますが)
書くことがあったらレーティング(過激表現)となるので
読めなくなる人がいましたらごめんなさい。
那々詩
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