竜 貨   リュウカ

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ジジィが竜の墓場へとむかったと報告があったのは早朝であったか。 1年の準備期間があったから驚くこともなく報告をきき親父が隣国の奴らを自国へと招き入れたことのほうが頭を痛める問題であった。 このまま親父に任せていたら滅びの道につき進み5年とたたずに隣国につぶされると言われていた。 だから俺は親父と竜貨により世代交代することにしたのだ。 この世界は竜貨により全てが決まる。 竜は1枚の竜貨を握りしめながら生まれてきて 国の領土問題・外交・商談・縁談・結婚などの重要なことも全てが1枚のコインで決まり死ぬときに竜貨は消滅すると言われている。 竜貨の決めごとは竜たちの間において唯一にして絶対のルールである。 竜貨の導きにあらがえば命も失うことになるのを俺たちは本能で知っているし古い書物には竜貨の消滅と同時に所有者が目の前で消えたという内容の話が数多く残されていた。 親父との竜貨での勝負は俺が勝ち世代交代して真っ先にやったのが隣国の使者を竜貨をつかって帰らせることであった。 これも何とか勝つことができてグッタリしていた俺に意味不明な報告がされた 「ユンファ様、転移の間にユンファ様の婚約者と名乗る竜人が面会を希望しておりますがいかがなさいますか?」と ・・・・・・・は? 「……何が面会を求めてるだと?」 俺の口から出た言葉がかなり低くなったのはしかたないだろう。 俺の顔色をうかがうように戸惑いながら報告する竜人は同じ言葉を繰りかえした。 聞き間違いではないようで が転移の間と呼ばれる部屋にいるらしい 俺すら知らない
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