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ど、どぉぉおおぉおしてこんなことにぃいいいいいいッツ!!
『ユンファさん』は『ユンファさま』でして
彼はドラゴンと同じ爬虫類の縦長をした瞳孔と金の瞳をしていたわけで
ヨンファと同類であろう彼に僕が逆らえるはずもなく
婚約解消のコインゲームをするためにユンファ様に会いに行ったのに
まさかの婚約・確定!!
整った顔は無表情なのに拒絶と敵意がビシビシだったよ!
で、あのコインゲームほんと何なの!?
逆らえば死ぬって……意味不明。
(だって僕もう死んでるし)
でも黒いドラゴンの強面ですごまれたら誰も逆らえないでしょ?
しかも顔も知らない婚約者(仮)だったのが冗談ぬきの本物の婚約者とか
(っ!これが世に言う死後婚礼ってやつ?未婚のまま死んだ人間が寂しくないように死後の世界で結婚)
僕には無理だよ、頼んでないよ! 誰か助けて~~~ッ!!
と心で叫びながら無駄に長―い距離を歩かされて気分は売られた子牛同然…荷馬車ですら運んでもらえない僕は家畜以下なのか。
頭の中はずっとドナドナが流れてますとも
今日はもう体力の限界でフラフラしながら案内された部屋のベッドで眠った。
(女の子が喜びそうな天蓋付きのふかふかベッドだろうと僕は気にしない!)
…………………………………………………………………………
………目が覚めたら全て夢だった、とはならなかった。
寝汗をかいていたから部屋のお風呂に入ったら―…
水だった!!!
(ぇ゛、、水しかでないの!?お湯は?死後の世界は水風呂が一般的なのですか……、さ、さささ寒いぃぃぃいぃいいいい)
ガチガチと歯を鳴らしながらビショビショのまま風呂からでれば朝ご飯を運んできた人が驚きながらも僕にタオルをくれたから震える手で髪をふいてたんだけど
んん、アレって鏡だよねぇ? 何で僕の姿が映ってないの?
ってか見知らぬ青年が僕と同じ動きで…髪の毛を…
「、、誰これぇええええええッ!」と鏡を指さして叫び
鏡の中の青年も僕を指さして驚愕と半泣きの表情で声なき叫びをあげているように見えた。
――――――ペチペチと頬を叩いてみても連動している…
つねってみても、、、、い、痛ぃ。
な、何このグラデーションがかった青い髪
うわっ、光があたるとキラキラ反射すんの? 女子なら喜んぶね、この光沢
(けど僕、男だから別にいらないよッ!)
目もガラス玉みたいに透きとおる青で見慣れないから作り物めいて気持ち悪いし僕の瞳孔も縦長になってるんだけど!?
パチパチと瞬きを何度もしながら鏡を見つめてたら後ろで部屋の扉が開く音がして振り向けば
ユンファ様が呆れた顔で僕を見ていた。
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