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恐る恐る戻った俺を、孤児院の者達は歓迎してくれた。
心配して、そして無茶をした事を怒られた。
そして最後に「ここにいてもいいのか」と問う俺を、優しく抱きしめてくれた。
俺はようやく、安心していられる家を見つけたのだと確信した。
しかし多大な功績を作った俺を、見逃すような者達はこの世界にはいなかった。
俺の力は強大だった。
孤児院の者達の境遇を考えて、各勢力から反感を買わないようにしたかった。
だから俺は様々な組織や町や村、国からよこされる頼みに全て答えた。
魔物を倒し、犯罪者を倒し、困難を解決する。
孤児院の者達と会える日は、日に日に少くなくなっていった。
しまいには、手紙のやりとりだけになってしまったくらいだ。
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