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「晴美ちゃん…
朔の親友としてお願いがある。
変な話だけどさ…
絶対に、こいつより後に死んであげて。
一秒後でもいいからさ。
朔は晴美ちゃんなしじゃ生きていけないから」
私は泣きながら笑った。
そして、大きく頷いた。
そんな私を見て、朔太郎も涙ぐんでいる。
幼なじみという固い殻が破れた瞬間、私達は一気に恋に落ちた。
それは、きっと、神様が敷いた既定路線。
惹かれ合って求め合って、私達は共に過ごしてきた。
そんな幼なじみなんてあり得ない。
私の未来と朔太郎の未来がいつかどこかで一つになる事を、私達以外の皆は分かっていた。
少なくともここにいる智也と里奈ちゃんは確実に。
そして、私達は、何度も何度も乾杯をした。
この楽しい夜も含め、私と朔太郎の人生はこれからも続いて行く。
二つの人生ではなく、一つの人生として…
the end…
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